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谷風に
融くるとくる氷こほりの
隙ひまごとに
うち出づる波や
春の初はつ花
谷風で融ける氷の隙間隙間からうち出る波こそが春まっさきの花なのだ。
寛平の御代、后の宮で行われた歌合せの歌
波とあるが海の波ではなく、川や滝の飛沫であろう。雪を花に例える歌が多い中、雪ではなく敢えて波を花に例えていて、しかもそれこそが、冬の終わり春の訪れを示していると言うのである。季節を敏感に捉えたダイナミックかつ美しい歌である。
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谷風に
融くるとくる氷こほりの
隙ひまごとに
うち出づる波や
春の初はつ花
谷風で融ける氷の隙間隙間からうち出る波こそが春まっさきの花なのだ。
寛平の御代、后の宮で行われた歌合せの歌
波とあるが海の波ではなく、川や滝の飛沫であろう。雪を花に例える歌が多い中、雪ではなく敢えて波を花に例えていて、しかもそれこそが、冬の終わり春の訪れを示していると言うのである。季節を敏感に捉えたダイナミックかつ美しい歌である。